皆さんは歯周病がどのような病気かご存知でしょうか? |
歯周病とは、歯を支えている顎の骨がばい菌の産生する毒素によって溶けて無くなってしまう病気です。歯周病の主な原因は歯周病菌です。歯周病はほとんどの場合が症状のないまま進行していきます。痛みが出てきた、グラグラしている気がする、といった症状が出てからだと手遅れになってしまうことがあります。 歯周病で無くなってしまった骨は元通りには戻りません。
一生ご自身の歯でおいしく食事をしていただくために、歯周病の予防はとても重要になります。
歯周病のサインかもしれません。
|
歯周病を予防するには2つのポイントがあります。
それは... 「口の中の歯周病原菌や磨き残しなどの汚れを減らす」 「生活習慣の改善」 です。 |
ご自身の歯磨きだけでお口の中の汚れをすべて取り除くことは困難です。 定期的に歯医者さんで専門的なお掃除を行うことにより、ご自身では取りきれない汚れもしっかりとお掃除できます。 また、お口の中の状態も人それぞれ違います。 その方のお口に合ったケアの仕方もあります。 気になる方は気軽に当医院スタッフまでお尋ねください。
近年、多くの研究から歯周病と生活習慣病に大きな関連があることがわかってきています。 代表的なものに糖尿病があります。ご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか? 糖尿病を含め、他にもいくつか関連のあるものを以下に紹介します。
糖尿病 |
歯周病菌による炎症によって生じた化学物質は歯周ポケットから血管の中に入り込みます。その化学物質が体の中で血糖値を下げるインスリンの働きを弱めてしまいます。そのため糖が代謝されなくなり血糖値が上昇、糖尿病の発症・進行に繋がってしまいます。
心臓血管疾患 |
糖尿病のように血管の中に侵入した歯周病菌が血流に乗り心臓の血管や弁にくっついてしまうことで起こってきます。血管の壁で毒素を作ることで動脈硬化や狭心症などを引き起こします。
誤嚥性肺炎 |
お口のケアが行き届いていないと、どんどん歯周病菌は口の中で繁殖していきます。その繁殖した菌が誤嚥などにより気管から肺に入ってしまうことで起こってきます。 悪化すると命にも関わってきます。
低体重児出産や早産 |
血管の中に侵入した歯周病菌が血中で毒素を作ります。その毒素が血流に乗って子宮に作用し、収縮を早めたり、胎児の成長を妨げたりします。
喫煙が歯周組織(歯や歯ぐき、顎の骨)に及ぼす有害作用についても近年、多くの研究から科学的に証明されています。 ある研究の統計データによると、歯周病にかかる危険は1日10本以上喫煙すると5.4倍に、10年以上吸っていると4.3倍に上昇し、また重症化しやすくなるそうです。
では、なぜ喫煙は歯周病を引き起こすのでしょう?
タバコの煙に含まれる一酸化炭素は組織への酸素供給を妨げます。また、ニコチンには血管を収縮させる作用がありその結果、体は酸欠・栄養不足状態になります。 さらにニコチンには体に入ってきた異物を退治する細胞の働きを抑制する作用があるため、病気に対する抵抗力が落ちたりアレルギーが出やすくなります。 それだけではなくダメージを受けたところを治そうとする細胞の働きまで抑制してしまうので、もちろん治りも悪くなってしまいます。 タールはヤニの原因になります。ヤニが付くことで歯の表面ががざらざらして汚れがたまりやすくなります。またヤニの表面にはニコチンも付着します。汚れが溜まり繁殖した歯周病菌と付着したニコチンからの悪影響を持続的に受けることが歯周病の発症・進行に繋がるのです。